太陽光発電の売電価格2026年度版|価格の推移と収入試算を解説

- 2025年度(令和7年度)の住宅用(10kW未満)FIT売電単価は15円/kWh。
- 売電単価は年々下落しており、もう「売って儲ける」前提では計画しない方がいい。
- 卒FIT後の売電単価は大手電力で7〜9円/kWh前後と、買う電気の半額以下。
- これからは蓄電池と組み合わせて自家消費する方が経済メリットが大きい。
- FIT認定には経済産業省への事業計画認定と電力会社への接続申込が必要。
太陽光発電 価格 売電の結論

今から太陽光を入れるなら、売電収入ではなく「電気代の削減」を主軸に考えるのが正解だ。
理由ははっきりしている。FIT(固定価格買取制度)の住宅用売電単価が、買う電気の単価を下回ったからだ。
私はエネルギー会社で再エネ部門にいた頃、まだ売電単価が40円台だった案件を扱っていた。当時は「載せれば売電で回収できる」が常識だった。今はその常識が逆転している。
2026年度(令和8年度)の太陽光発電の売電価格は?
2026年度の住宅用売電単価は、執筆時点で経済産業省から正式な数値が確定公表されておらず、確定値として書けない。

FIT・FIPの買取価格は調達価格等算定委員会の議論を経て、年度ごとに告示される仕組みになっている。例年、年明けから年度替わりにかけて翌年度の単価が公表される流れだ。
正直に言うと、ここで予想の数字を出すことはできる。だが過去数年の単価は一貫して下落、または横ばいで推移してきた経緯がある。上がる材料はほぼない、というのが私の見立てだ。
確定した2026年度単価は、経済産業省・資源エネルギー庁の発表を必ず一次情報で確認してほしい。
2025年度(令和7年度)の売電価格
2025年度(令和7年度)の住宅用太陽光(10kW未満)のFIT売電単価は15円/kWhだ。
これは出力制御の対応有無にかかわらない、住宅用区分の調達価格として告示されている数値だ。10kW以上の事業用は区分や入札の有無で扱いが変わる。
15円という数字を、いま家庭が電力会社から買っている電気の単価と比べてみてほしい。多くの家庭で買う電気は1kWhあたり30円前後する。つまり、売るより使う方が約2倍お得という構図だ。
| 年度 | 住宅用(10kW未満)売電単価 |
|---|---|
| 2025年度(令和7年度) | 15円/kWh |
売電価格の傾向(10kW未満)

住宅用の売電単価は、制度開始から一貫して下がり続けている。
FITが始まった2012年度の住宅用単価は42円/kWhだった。それが今は15円。10年あまりで3分の1近くまで落ちた計算になる。
なぜ下がるのか。FITの買取単価は、太陽光パネルの設置コストが下がるのに合わせて引き下げる設計になっているからだ。設備が安くなった分、保証する単価も下げる、という考え方だ。
この傾向を踏まえると、「来年まで待てば単価が上がる」という期待で先送りする理由はほぼない。むしろ設置を早めて、安いうちから電気代削減のメリットを取り始める方が合理的だと私は考えている。
太陽光発電のメリットは売電収入と電気代削減
太陽光の経済メリットは「売電収入」と「電気代削減(自家消費)」の2本立てで、今は後者の比重が圧倒的に大きい。

昼間に発電した電気を自分の家で使えば、その分は電力会社から買わずに済む。買う電気が約30円/kWhなら、自家消費1kWhあたり約30円の節約になる。
一方、余って売る電気は15円/kWh。同じ1kWhでも、使う場合と売る場合で価値が倍違う。だから「いかに自分で使い切るか」が肝になる。
逆に、日中ほとんど家に人がいない共働き世帯は、せっかくの昼の発電を安値で売るだけになりがちだ。ここは蓄電池でカバーするか、運転を昼に寄せる工夫がいる。正直、この前提を無視した試算は当てにならない。
太陽光発電の売電収入・節電効果の試算
年間の経済効果は「自家消費による節電額+余剰売電額」で見積もる。
ここでは確定数値として使える売電単価15円/kWh(2025年度住宅用)をもとに、考え方を示す。買電単価や発電量は各家庭・各地域で変わるため、ここでは固定値として断定しない。
計算の枠組みはシンプルだ。発電した電気のうち、自宅で使った分は「買わずに済んだ電気代」、余った分は「15円で売れた収入」。この2つを足したものが年間効果になる。
| 項目 | 計算式 |
|---|---|
| 自家消費の節電額 | 自家消費量(kWh) × 買う電気の単価(円/kWh) |
| 余剰売電額 | 余剰量(kWh) × 15円/kWh |
| 年間効果 | 節電額 + 売電額 |
ポイントは、自家消費の単価(買う電気の単価)が売電単価より高いこと。だから自家消費率を上げるほど、同じ発電量でも年間効果が伸びる。蓄電池が効いてくるのはここだ。
2026年度(令和8年度)のFIT制度申請期限は?

FIT認定を受けるには、原則として年度内に経済産業省の事業計画認定を取得する必要があり、その年度の単価が適用される。
住宅用の場合、いつ申請したかではなく「事業計画認定がいつ下りたか」で適用単価が決まるのが基本的な考え方だ。年度末ギリギリの申請は、認定が翌年度にずれ込むリスクがある。
2026年度(令和8年度)の具体的な申請受付期間や締切は、資源エネルギー庁および各電力会社のスケジュールで示される。前述の資源エネルギー庁の情報を確認し、希望する年度単価を確実に取りたいなら早めに動くのが鉄則だ。
2026年度(令和8年度)の経済産業省の申請期間は?
経済産業省側の手続きは、再生可能エネルギー電子申請システムを通じた「事業計画認定」の申請になる。

申請から認定までには一定の審査期間がかかる。書類不備があれば差し戻され、その分さらに時間が延びる。私が実務で見てきた限り、不備による遅延は珍しくない。
具体的な受付期間・処理状況は電子申請システムと資源エネルギー庁の案内で公開されている。正確な日程はそちらで確認してほしい。
2026年度(令和8年度)の各電力会社の申請期間は?
電力会社への手続きは、送配電事業者への「接続契約(系統連系)」の申込が中心になる。
FIT認定には、経産省の事業計画認定だけでなく、送配電事業者との接続契約が前提として必要だ。つまり国と電力会社、両方の手続きが揃って初めて認定が成立する。
接続申込の受付期間や混雑状況はエリアごとに異なる。担当する一般送配電事業者(東京電力パワーグリッド、関西電力送配電などエリアの送配電会社)の公式案内で確認するのが確実だ。
正直、ここは設置業者が代行してくれるケースが多い。ただし丸投げにせず、申込日と適用単価の見込みだけは自分でも把握しておくべきだ。
電力申請・設備認定までの流れ

FIT開始までの流れは「接続申込→事業計画認定→接続契約→工事・系統連系→売電開始」の順に進む。
- 設置業者を決め、システム容量と設置プランを確定する。
- 一般送配電事業者へ接続(系統連系)を申し込む。
- 経済産業省の電子申請システムで事業計画認定を申請する。
- 接続契約を締結し、適用される売電単価を確定させる。
- 設置工事を行い、系統連系(電力会社の配電網につなぐ)する。
- 売電開始。FIT期間(住宅用は10年)の買取がスタートする。
住宅用FITの買取期間は10年だ。この10年が終わると、いわゆる「卒FIT」になる。
FIT制度とは?どんな仕組み?
FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた固定価格で一定期間、電力会社が買い取る仕組みのことだ。

住宅用太陽光なら、認定時に決まった単価で10年間、余った電気を買い取ってもらえる。この「単価が固定で10年保証される」という安心感が、FITの最大の特徴だ。
買取に必要なお金は、電気を使う私たち全員が「再エネ賦課金」として電気料金と一緒に負担している。つまりFITは、みんなで再エネを支える制度でもある。
卒FIT、つまり10年の買取期間が終わった後はどうなるか。FITの保証単価は消え、各社が独自に設定する売電プランへ移行する。大手電力の卒FIT買取単価は7〜9円/kWh前後と、FIT期間中よりさらに低い水準だ。
だからこそ卒FIT後は、安値で売るより蓄電池に貯めて自家消費する方が得になりやすい。電気料金プランの見直しや、新電力の卒FIT買取サービスへの切り替えも選択肢になる。卒FIT後に勝手に買取が止まることはないが、契約を更新・切替しないと不利な条件のままになる点は注意したい。
よくある質問
相談現場で実際によく聞かれる質問に、私の見解を添えて答える。
よくある質問
最後に率直な一言を。今の太陽光は「売電で儲ける投資」ではなく「電気代を先払いで固定する設備」だと捉えると判断を誤らない。自分の家の昼の電気の使い方を一度書き出してみてほしい。それが容量と蓄電池の要否を決める一番確かな材料になる。
