太陽光の卒FIT手続きの流れとは?申請方法をわかりやすく解説

- 卒FITとは、FIT制度による固定価格買取期間(住宅用10年・事業用20年)が満了することを指す。
- 卒FIT後も売電は可能で、電力会社や新電力との契約で継続できる。
- 事業用太陽光で売電先を変える場合は、経済産業省への事業計画変更認定申請が必要になる。
- 満了の数か月前から売電先の比較を始めれば、無契約の空白期間を防げる。
- 自家消費へ切り替えるか売電を続けるかは、自宅の電気使用量で損益が変わる。
太陽光 卒fit 手続き 流れの結論

卒FIT後の手続きは「売電先を決める→必要なら事業計画変更を申請する→新契約に切り替える」の3ステップで完了します。
所要時間の目安はこうです。売電先の比較に1〜2週間、申請が必要な場合の経済産業省の処理に数週間。難易度は、住宅用(10kW未満)なら低い。電力会社を切り替えるだけで済むことが多いからです。
事業用(10kW以上)は中くらい。後述する事業計画変更認定申請が絡むぶん、書類と時間がかかります。
前提として用意するのは、現在の電力受給契約のお知らせ(契約番号がわかるもの)、設備認定の情報、直近の検針票です。これだけあれば話は進みます。
事業計画変更の申請の流れ
事業用太陽光(10kW以上)で売電先や運用を変えるときは、経済産業省の「事業計画変更認定申請」を再生可能エネルギー電子申請システムから行います。

住宅用10kW未満の方は、この章は基本的に読み飛ばして構いません。電力会社の手続きだけで済むケースがほとんどです。
流れは番号順に進めます。1ステップ1動作で書きます。
- ①再生可能エネルギー電子申請システムにログインする(ログインIDがわからない場合は再発行手続きをする)。
- ②対象の設備認定を選び、「変更認定申請」を選択する。
- ③売電先の変更・運用変更にあわせて該当項目を修正する。
- ④添付書類(必要なものがあれば)をアップロードして申請する。
- ⑤受理・認定の通知を待つ。
ここまでできていれば正しい、という目安。①はマイページの設備一覧に自分の発電所が表示されていればOK。④は申請完了画面に受付番号が出ていれば送信できています。
うまくいかないときは、ログインIDの再発行に時間がかかる点に注意してください。期限ギリギリだと間に合わないことがあります。私が現場で見た失敗の多くは、これです。
目次
この記事はFIT制度の基本から、卒FIT後の選択肢、継続する場合の収支の考え方、そしてよくある質問までを順に扱います。
- FIT制度の基本と卒FITの意味
- FIP制度への移行という国の動き
- 卒FIT後に想定される収益の変化
- 卒FIT後の具体的な選択肢(継続・切替・自家消費など)
- 運用を続ける場合に考えるべき収支と備え
そもそもFIT制度とは?終了する?

FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間electric電力会社が買い取る固定価格買取制度です。
言い直します。FIT制度は、再エネ電気を国が定めた固定価格で一定期間買い取る仕組みです。住宅用は10年、事業用は20年が買取期間です。
「FIT制度そのものが終わる」と「自分の買取期間が終わる」は別の話。ここを混同している人がとても多い。制度は続いていて、終わるのは個々の発電所の買取期間です。
個別の「買取期間」の満了(卒FIT)
卒FITとは、自分の発電設備の固定価格買取期間(住宅用10年・事業用20年)が満了することを指します。

住宅用の場合、2009年に始まった余剰電力買取がもとなので、早い人は2019年から順次満了を迎えてきました。あなたの満了日は、電力会社からの通知や契約書で確認できます。
私が伝えたいのは一点。満了したからといって、設備が止まるわけでも売電できなくなるわけでもありません。買取価格の根拠が「固定」から「自由」に変わるだけです。
国の制度としての「FIP制度」への移行
FIP制度とは、市場価格に補助額(プレミアム)を上乗せして再エネ電気を取引する仕組みで、2022年4月に導入されました。
FITが「いくらで売れるか固定」なのに対し、FIPは市場価格に連動します。大規模な事業者向けの色が濃い制度です。
正直に言うと、一般的な住宅用の卒FITユーザーがFIPを直接気にする場面は多くありません。国全体が固定価格から市場連動へ舵を切っている、という背景として押さえておけば十分です。
FIT制度終了後に想定されること

卒FIT後にまず起きるのは、売電単価の大幅な下落です。固定の高い単価が、自由契約の低い単価に切り替わります。
住宅用FITの初期は高い買取単価でしたが、卒FIT後の余剰電力買取は新電力各社が独自に設定する単価になります。各社の単価は会社ごとに違うので、横並びで比較する価値があります。
もう一つ。何も手続きしないまま満了日を過ぎると、契約のない状態になります。発電した電気がただ系統へ流れるだけになりかねません。
収益性の低下が懸念される
卒FIT後は売電単価が下がるため、売電だけで稼ぐ前提は崩れます。

ここで効いてくるのが「売る電気」と「買う電気」の単価差です。卒FIT後の売電単価より、自宅で買っている電気の単価のほうが高いことが多い。だから昼に発電した電気を売るより、自分で使ったほうが得になるケースが出てきます。
| 着目点 | 売電を続ける | 自家消費に寄せる |
|---|---|---|
| 向いている人 | 昼間に家にいない・余剰が多い | 昼間の電気使用が多い |
| カギになる数字 | 各社の買取単価 | 購入電気の単価 |
| 設備の追加 | 原則不要 | 蓄電池があると効果が伸びる |
私の考えはこうです。共働きで昼間ほとんど家に人がいない家庭は、無理に自家消費に振らず、買取単価の高い会社へ売るほうが現実的なことが多い。逆に在宅時間が長い家庭は自家消費の検討価値が高い。
20年後も売電できる可能性も
卒FIT後も、新電力や地域の電力会社と契約すれば売電を続けられます。
買取期間が終わっても、設備が健全なら発電は続きます。需要はあるので、買い取ってくれる先も存在します。問題は「いくらで」「どこに」売るか、それだけです。
ただし設備は経年で劣化します。パワーコンディショナは概ね10〜15年が交換の目安と言われる部品で、卒FITの頃に寿命が重なることがある。売電を続けるなら、この交換費用を収支に入れておく必要があります。
FIT制度終了後はどうするべき?

卒FIT後の選択肢は大きく6つあり、住宅用なら「契約継続」か「自家消費へ転換」のどちらかに落ち着くことが多いです。
6つを一覧にします。あなたの設備規模と生活スタイルで、現実的な選択肢は絞られます。
| 選択肢 | 内容 | 主に向くケース |
|---|---|---|
| ①契約継続 | 今の電力会社で売電を続ける | 手間をかけたくない人 |
| ②新電力へ切替 | 別の会社のほうが買取単価が高ければ乗り換え | 少しでも単価を上げたい人 |
| ③自家消費へ転換 | 発電した電気を自宅で使う | 在宅時間が長い・蓄電池導入を検討する人 |
| ④発電所を売却 | 設備ごと第三者へ売る | 運用をやめたい事業用オーナー |
| ⑤土地所有者へ返還 | 借地の場合に土地を返す | 賃借地で事業を終える人 |
| ⑥撤去 | 設備を撤去し更地に戻す | 設備劣化・継続困難なとき |
④〜⑥は主に事業用の話。住宅用の方が迷うのは①②③です。
①電力会社と契約を継続する
一番手間が少ないのは、今契約している電力会社の卒FIT向けプランへそのまま移行する方法です。

多くの電力会社は、買取期間満了の数か月前に「満了のお知らせ」と継続プランの案内を送ってきます。同意すれば自動的に継続買取へ移る流れが一般的です。
手続きの実際は次の通り。これが「継続する」の全体像です。
- ①満了の数か月前に届く案内(満了通知)を確認する。
- ②継続プランの買取単価を確認する。
- ③他社の単価と比べ、継続でよいか判断する。
- ④継続するなら案内に従って申込・同意する。
- ⑤満了日の翌日から新単価で買取が続いているか検針票で確認する。
ここまでできていれば正しい、の目安。⑤で満了後最初の検針票に新しい買取単価が反映されていれば、空白なく移行できています。
うまくいかないときは、案内が届かない・見落としたケース。その場合は満了日を待たず、自分から電力会社へ連絡してください。私はこのパターンで慌てる相談を何度も受けました。早めに動けば防げます。
よくある質問
よくある質問
最後に率直な一言を。卒FITは「制度の終わり」ではなく「契約を選び直すタイミング」です。満了日を確認して、今日のうちに2〜3社の買取単価を調べる。動き出しは、それで十分です。
