卒FIT・売電見直しについて、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
メルマガ登録
卒FIT・売電見直しについて、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 太陽光の卒FIT手続きの流れとは?申請方法をわかりやすく解説

太陽光の卒FIT手続きの流れとは?申請方法をわかりやすく解説

梶原 誠一 / 更新:2026-06-20
太陽光の卒FIT手続きの流れとは?申請方法をわかりやすく解説
買取期間が満了する「卒FIT」を前にして、何の手続きをいつまでにやればいいのか分からず止まっている方は多い。結論から言うと、設備容量10kW以上の事業用なら国の「事業計画変更認定申請」、そして満了前後の「売電先の切り替え交渉」、この2つを押さえれば流れはシンプルです。私は元エネルギー会社の人間として、ここでつまずく人を何人も見てきました。
  • 卒FITとは、FIT制度による固定価格買取期間(住宅用10年・事業用20年)が満了することを指す。
  • 卒FIT後も売電は可能で、電力会社や新電力との契約で継続できる。
  • 事業用太陽光で売電先を変える場合は、経済産業省への事業計画変更認定申請が必要になる。
  • 満了の数か月前から売電先の比較を始めれば、無契約の空白期間を防げる。
  • 自家消費へ切り替えるか売電を続けるかは、自宅の電気使用量で損益が変わる。

太陽光 卒fit 手続き 流れの結論

実は契約してからが1番大事!太陽光や蓄電池の見積から設置までの流れ
実は契約してからが1番大事!太陽光や蓄電池の見積から設置までの流れ

卒FIT後の手続きは「売電先を決める→必要なら事業計画変更を申請する→新契約に切り替える」の3ステップで完了します。

所要時間の目安はこうです。売電先の比較に1〜2週間、申請が必要な場合の経済産業省の処理に数週間。難易度は、住宅用(10kW未満)なら低い。電力会社を切り替えるだけで済むことが多いからです。

事業用(10kW以上)は中くらい。後述する事業計画変更認定申請が絡むぶん、書類と時間がかかります。

前提として用意するのは、現在の電力受給契約のお知らせ(契約番号がわかるもの)、設備認定の情報、直近の検針票です。これだけあれば話は進みます。

満了日を過ぎても契約が空白だと、発電した電気が無償で系統に流れてしまう。まず満了日を確認し、その2〜3か月前に動き出すこと。

事業計画変更の申請の流れ

事業用太陽光(10kW以上)で売電先や運用を変えるときは、経済産業省の「事業計画変更認定申請」を再生可能エネルギー電子申請システムから行います。

事業計画変更の申請の流れ

住宅用10kW未満の方は、この章は基本的に読み飛ばして構いません。電力会社の手続きだけで済むケースがほとんどです。

流れは番号順に進めます。1ステップ1動作で書きます。

  1. ①再生可能エネルギー電子申請システムにログインする(ログインIDがわからない場合は再発行手続きをする)。
  2. ②対象の設備認定を選び、「変更認定申請」を選択する。
  3. ③売電先の変更・運用変更にあわせて該当項目を修正する。
  4. ④添付書類(必要なものがあれば)をアップロードして申請する。
  5. ⑤受理・認定の通知を待つ。

ここまでできていれば正しい、という目安。①はマイページの設備一覧に自分の発電所が表示されていればOK。④は申請完了画面に受付番号が出ていれば送信できています。

うまくいかないときは、ログインIDの再発行に時間がかかる点に注意してください。期限ギリギリだと間に合わないことがあります。私が現場で見た失敗の多くは、これです。

電子申請システムの操作画面や必要書類は更新されることがある。着手前に経済産業省・資源エネルギー庁の公式案内で最新の手順を必ず確認してください。

目次

この記事はFIT制度の基本から、卒FIT後の選択肢、継続する場合の収支の考え方、そしてよくある質問までを順に扱います。

  • FIT制度の基本と卒FITの意味
  • FIP制度への移行という国の動き
  • 卒FIT後に想定される収益の変化
  • 卒FIT後の具体的な選択肢(継続・切替・自家消費など)
  • 運用を続ける場合に考えるべき収支と備え

そもそもFIT制度とは?終了する?

【2023年版】名義変更のための変更認定申請方法
【2023年版】名義変更のための変更認定申請方法

FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間electric電力会社が買い取る固定価格買取制度です。

言い直します。FIT制度は、再エネ電気を国が定めた固定価格で一定期間買い取る仕組みです。住宅用は10年、事業用は20年が買取期間です。

「FIT制度そのものが終わる」と「自分の買取期間が終わる」は別の話。ここを混同している人がとても多い。制度は続いていて、終わるのは個々の発電所の買取期間です。

個別の「買取期間」の満了(卒FIT)

卒FITとは、自分の発電設備の固定価格買取期間(住宅用10年・事業用20年)が満了することを指します。

個別の「買取期間」の満了(卒FIT)

住宅用の場合、2009年に始まった余剰電力買取がもとなので、早い人は2019年から順次満了を迎えてきました。あなたの満了日は、電力会社からの通知や契約書で確認できます。

私が伝えたいのは一点。満了したからといって、設備が止まるわけでも売電できなくなるわけでもありません。買取価格の根拠が「固定」から「自由」に変わるだけです。

国の制度としての「FIP制度」への移行

FIP制度とは、市場価格に補助額(プレミアム)を上乗せして再エネ電気を取引する仕組みで、2022年4月に導入されました。

FITが「いくらで売れるか固定」なのに対し、FIPは市場価格に連動します。大規模な事業者向けの色が濃い制度です。

正直に言うと、一般的な住宅用の卒FITユーザーがFIPを直接気にする場面は多くありません。国全体が固定価格から市場連動へ舵を切っている、という背景として押さえておけば十分です。

FIT制度終了後に想定されること

【永久保存版】売電終了後の疑問を業界のプロが徹底解説します!【注文住宅/蓄電池/エコキュート】
【永久保存版】売電終了後の疑問を業界のプロが徹底解説します!【注文住宅/蓄電池/エコキュート】

卒FIT後にまず起きるのは、売電単価の大幅な下落です。固定の高い単価が、自由契約の低い単価に切り替わります。

住宅用FITの初期は高い買取単価でしたが、卒FIT後の余剰電力買取は新電力各社が独自に設定する単価になります。各社の単価は会社ごとに違うので、横並びで比較する価値があります。

もう一つ。何も手続きしないまま満了日を過ぎると、契約のない状態になります。発電した電気がただ系統へ流れるだけになりかねません。

卒FIT後の単価は各社で差が出る。1社だけ見て決めず、最低3社は条件を並べて比べることを勧めます。

収益性の低下が懸念される

卒FIT後は売電単価が下がるため、売電だけで稼ぐ前提は崩れます。

収益性の低下が懸念される

ここで効いてくるのが「売る電気」と「買う電気」の単価差です。卒FIT後の売電単価より、自宅で買っている電気の単価のほうが高いことが多い。だから昼に発電した電気を売るより、自分で使ったほうが得になるケースが出てきます。

卒FIT後の運用方針を分ける考え方
単価は契約により異なるため、ご自身の検針票と売電契約書で実額を確認してください。
着目点売電を続ける自家消費に寄せる
向いている人昼間に家にいない・余剰が多い昼間の電気使用が多い
カギになる数字各社の買取単価購入電気の単価
設備の追加原則不要蓄電池があると効果が伸びる

私の考えはこうです。共働きで昼間ほとんど家に人がいない家庭は、無理に自家消費に振らず、買取単価の高い会社へ売るほうが現実的なことが多い。逆に在宅時間が長い家庭は自家消費の検討価値が高い。

20年後も売電できる可能性も

卒FIT後も、新電力や地域の電力会社と契約すれば売電を続けられます。

買取期間が終わっても、設備が健全なら発電は続きます。需要はあるので、買い取ってくれる先も存在します。問題は「いくらで」「どこに」売るか、それだけです。

ただし設備は経年で劣化します。パワーコンディショナは概ね10〜15年が交換の目安と言われる部品で、卒FITの頃に寿命が重なることがある。売電を続けるなら、この交換費用を収支に入れておく必要があります。

FIT制度終了後はどうするべき?

太陽光発電の事業計画認定を取ってみよう#3
太陽光発電の事業計画認定を取ってみよう#3

卒FIT後の選択肢は大きく6つあり、住宅用なら「契約継続」か「自家消費へ転換」のどちらかに落ち着くことが多いです。

6つを一覧にします。あなたの設備規模と生活スタイルで、現実的な選択肢は絞られます。

卒FIT後の6つの選択肢
選択肢内容主に向くケース
①契約継続今の電力会社で売電を続ける手間をかけたくない人
②新電力へ切替別の会社のほうが買取単価が高ければ乗り換え少しでも単価を上げたい人
③自家消費へ転換発電した電気を自宅で使う在宅時間が長い・蓄電池導入を検討する人
④発電所を売却設備ごと第三者へ売る運用をやめたい事業用オーナー
⑤土地所有者へ返還借地の場合に土地を返す賃借地で事業を終える人
⑥撤去設備を撤去し更地に戻す設備劣化・継続困難なとき

④〜⑥は主に事業用の話。住宅用の方が迷うのは①②③です。

①電力会社と契約を継続する

一番手間が少ないのは、今契約している電力会社の卒FIT向けプランへそのまま移行する方法です。

①電力会社と契約を継続する

多くの電力会社は、買取期間満了の数か月前に「満了のお知らせ」と継続プランの案内を送ってきます。同意すれば自動的に継続買取へ移る流れが一般的です。

手続きの実際は次の通り。これが「継続する」の全体像です。

  1. ①満了の数か月前に届く案内(満了通知)を確認する。
  2. ②継続プランの買取単価を確認する。
  3. ③他社の単価と比べ、継続でよいか判断する。
  4. ④継続するなら案内に従って申込・同意する。
  5. ⑤満了日の翌日から新単価で買取が続いているか検針票で確認する。

ここまでできていれば正しい、の目安。⑤で満了後最初の検針票に新しい買取単価が反映されていれば、空白なく移行できています。

うまくいかないときは、案内が届かない・見落としたケース。その場合は満了日を待たず、自分から電力会社へ連絡してください。私はこのパターンで慌てる相談を何度も受けました。早めに動けば防げます。

この手順どおり進めれば、卒FITの満了日を空白なく越えて、新しい単価で売電を続ける状態に到達できます。

よくある質問

よくある質問

太陽光 卒fit 手続き 流れとは?
買取期間の満了を前に、売電先を決め、事業用なら経済産業省へ事業計画変更認定申請を行い、新契約へ切り替える一連の流れです。住宅用は電力会社の継続・切替手続きだけで済むことが多いです。
太陽光 卒fit 手続き 流れの費用は?
売電契約の切替自体に費用はかからないのが一般的です。費用が発生するのは、パワーコンディショナの交換(10〜15年が交換目安の部品)や、自家消費へ転換する際の蓄電池導入など設備側です。実額は機器・契約により異なります。
太陽光 卒fit 手続き 流れの始め方は?
まず買取期間の満了日を契約書や電力会社の通知で確認することから始めます。満了の2〜3か月前に複数社の買取単価を比較し、継続か切替かを決めるのが現実的な進め方です。
卒FIT後は、もう売電できないのですか?
売電は続けられます。固定価格買取が終わるだけで、新電力や地域の電力会社と契約すれば、自由契約の単価で買い取ってもらえます。
売電と自家消費はどちらがおトクですか?
自宅で買う電気の単価が、卒FIT後の売電単価より高い場合は自家消費が有利になりやすいです。昼間の在宅時間が長い家庭ほど自家消費の効果が出ます。逆に昼間ほとんど家にいないなら売電継続が現実的です。
20年経過した設備のメンテナンスで気をつけることは?
パワーコンディショナは概ね10〜15年が交換目安の部品で、卒FITの時期に寿命が重なることがあります。売電を続けるなら、この交換費用を収支に織り込んでおく必要があります。

最後に率直な一言を。卒FITは「制度の終わり」ではなく「契約を選び直すタイミング」です。満了日を確認して、今日のうちに2〜3社の買取単価を調べる。動き出しは、それで十分です。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶原 誠一

元大手電力系エネルギー会社勤務(再生可能エネルギー部門) ・ エネルギー管理士
電力・エネルギー業界歴15年

エネルギー会社での実務経験をもとに、卒FIT後の売電先比較や蓄電池導入の費用対効果を一次情報にあたりながら執筆。読者が自分の家庭に合った選択肢を具体的に判断できる記事づくりを心がけている。

メルマガ登録

梶原 誠一
梶原 誠一
エネルギー会社での実務経験をもとに、卒FIT後の売電先比較や蓄電池導入の費用対効果を一次情報にあたりながら執筆。読者が自分の家庭に合った選択肢を具体的に判断できる記事づくりを心がけ

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。